Cube Design × minka bedflame interview

これからの時代の『こだわり』の楽しさ

『キューブデザイン』と『眠家』によるコラボベッドフレームが完成。

その製作秘話と『キューブデザイン』の寝室作りへの思いを、代表の弦巻大輔さんにインタビューしてきました。

家づくりのヒントにもなる今回のインタビュー、是非ご覧下さい。

*インタビューは2015年4月のものです

2013年夏の打ち合わせ風景。この頃から構想を練り、約2年かけて遂に完成。
2013年夏の打ち合わせ風景。この頃から構想を練り、約2年かけて遂に完成。

『コア』なものを『コア』なままに終わらせない

minka村山(以下村山) 『キューブデザイン』さんは、住宅、店舗、オフィス、家具といった建築に関わるデザインを様々引き受けていらっしゃいますね。

 

キューブデザイン弦巻社長(以下弦巻) 設立9年になりますが、○○ハウスとか、○○建築事務所といった社名にしなかったのも、建築にこだわらず『デザイン』の幅を広げたかったという思いがあって『キューブデザイン』という社名にしています。

 

村山 なるほど、社名にもそういった思いが含まれているんですね。会社としてのコンセプトみたいなものはありますか?

 

弦巻 「その先に世界が見えているか?その先にお客様が見えているか?その先に自分の未来が見えているか?」という3つの社訓があります。この社訓に則って『コア※1』と『マス※2』をいかに結びつけているかというところにチャレンジしています。『コア』なものを『コア』なままに終わらせないというか。

村山 このベッドフレームをコラボレーションで製作するにあたっても、何度も弦巻さんとはミーティングを重ねて来ましたが、良く『コア』と『マス』のお話が出て来ていましたね。その辺の思いがキューブデザインさんのデザインには表れている感じがしますよね。

 

弦巻 今あるマーケットに合わせてモノづくりをしているつもりは無くて、自分たちが発信したものがマーケットになっていくというのが、『コア』=『マス』に結びついていくと思っていて、あくまでモノづくりのスタンスは『コア』に徹し、出来上がった『コア』を発信する過程で、『マス』に変換するよう意識しています。その思いは、社内のメンバーとも共有出来ていて、最近は、メンバーみんながマスタープランにも携われるような状況づくりもしています。

※1 <徹底的に検討した結果として自分たちの内面から出た、未だ大衆化されていないもの>
※2 <大衆向けのもの>

弦巻大輔

株式会社キューブデザイン 代表取締役社長

新潟の一級建築設計事務所。建築設計全般、インテリアデザイン、家具・什器のデザイン・制作、その他各種イベントブース等の設計を手掛ける。2015年春、東京オフィスをオープン。

http://www.cube-design.co.jp

眠りの質という点で言えば、眠家さんの『木のマットレス』に絶対的な信頼があったので

村山 そんなキューブデザインさんは、早くから眠家の取り組みに共感していただき、今回のコラボベッドが実現したわけですが、数ある寝具店の中から眠家を選んでいただいたのはどんな思いがあったのでしょうか?

 

弦巻 眠家さんを選んだのは、村山さんという人柄もありましたし、セレクト眼、モノ選びに共感出来る部分が多かったという点ですよね。それと、『コア』を突き詰めていくには『コア』同士結びついた方がより良いという理論があるらしく、自ずと眠家さんとはその肌感覚が近いというか。眠家さんも『コア』じゃないですか、商品構成とか見ていても。その辺で通ずる部分があると思います。あとは、『木のマットレス』に試眠させていただいて、自分自身がファンになったというところですね(笑)

 

村山 『木のマットレス』に横になると、これを使って家で寝たいなという思いになりますよね。寝具や寝室に対してのキューブデザインさんのこだわりはありますか?

 

弦巻 個人的に眠ることが好きで、一日8時間とか9時間とか寝ていたいんです。一日の3分の1を費やす時間の質を高めたいという思いはありますね。家づくりにおいては、リビングやダイニングに比べると序列は下になる寝室ですが、寝室の場合は『寝る』ことが主なので、部屋の意匠とかこだわるよりもどちらかというと、部屋の明るさと、どういう寝具を選ぶかということが大事だと思います。

 

村山 明るさはどのように作りますか?自然光で?照明で?

弦巻 寝室はどちらかというと人工的に作る明るさ、照明で作る方かなと思っています。真っ暗な状態よりも少しの灯りを感じて寝た方が熟睡出来る、それがなるべく足下の方で鈍く灯っていた方が安眠出来ると思います。それこそ狩猟していた時代、焚き火をおこして寝ていたという本能に由来しているようですね。なので、低めの位置に調光出来るライトを配置するというのは時々やりますが、実際は、照明だけではなく、自然光の入り方もしっかりと意識しています。

 

村山 なるほど、明るさと寝具選びに重きを置いて寝室はプランを考えた方がいいのですね。そういう点で言うと、寝具選びとしては、インテリア要素が加わるベッドフレーム選びも重要になってくるかと思いますが、今回のコラボベッドフレームのデザインのこだわりはどんなところでしょうか?

 

弦巻 まず眠りの質という点で言えば、眠家さんの『木のマットレス』に絶対的な信頼があったので、ベッドに横になっている時間のベッド周りの「もどかしさ」をベッドのデザインで解決出来ないかと考えました。コンセプトは「枕元に空間を」。ベッド脇にチェストとかを置いたりするのではなく、ベッドの形が何気なく、もどかしさをケア出来るようなデザインを検討した結果この形になりました。普通だったらヘッドボードは床に対して垂直になるわけですが、垂直になったところに棚を作っても、ヘッドボードを背もたれにして押っ掛かったりしたときに邪魔になる。ヘッドボードが厚すぎると見た目が野暮ったい。そういったことを考えて、ヘッドボードは傾けてリクライニング効果を狙い背もたれにする、その真ん中をパキンと折って棚にするというアイデアに行き着きました。このヘッドボードの傾斜は、新幹線のリクライニング角度も参考にしました。

 

村山 棚になっている部分は単行本がちょうど入るサイズになっていますね。

 

弦巻 枕元にそういうスペースがあることで、読書が逆に促されることもあるでしょうし、今枕元のマストアイテム言えば携帯電話。これは絶対だと思うので、その携帯電話が枕の脇にあるというのは、感覚的に許せないものがあって(笑)それを大げさな形で解決したくなかったので、、、。

 

村山 シンプルな解決方法になったと。

 

弦巻 そうですね。あの棚部分は背もたれとして使った時のアームレストにもなりますし。建築は空間を作るものだと思うのですが、「傾けて、折り曲げる」たったそれだけのデザインで多様なことが出来て、家具のようでいて小さいながらもそこに建築のような空間が出来ていると思います。

エコ素材としても注目の竹の集積材を使用。
エコ素材としても注目の竹の集積材を使用。
美しい仕上がりのヘッドボード。
美しい仕上がりのヘッドボード。
棚部分は文庫本やスマートフォンを置くのにちょうど良い。
棚部分は文庫本やスマートフォンを置くのにちょうど良い。
チェストを必要としないことで、ベッド周りもスッキリ。
チェストを必要としないことで、ベッド周りもスッキリ。

新幹線のリクライニングシートの傾斜を参考に、ヘッドボードの角度、穴と棚の奥行きをいく通りも検討して形が決まった。
新幹線のリクライニングシートの傾斜を参考に、ヘッドボードの角度、穴と棚の奥行きをいく通りも検討して形が決まった。

これからの時代はこだわりを持ったほうが楽しい

村山 非常に美しいデザインですが、難しい技術の印象があります。

 

弦巻 あの角度と棚の水平を出すために丁寧にカットしなくてはいけないという加工技術は、家具屋さんは大変だったと思います。デザインはそのヘッドボード中心に作っていきつつ、寝室は天井を低めに作る傾向が多いので、割とロータイプの低めな足高にベッド全体を作っています。あとはベッド下の掃除がかなり重要なので、ロボット掃除機が侵入出来るようにサイドは空間を持たせました。

 

村山 ロボット掃除機の住み心地も考えられたと(笑)この『木のマットレス』なら女性でも二つ折りにして上から掃除することも出来ますが、やはりロボット掃除機に掃除は任せたいですよね。

 

弦巻 そこはおまえに任せたぞと(笑)村山さんからロボット掃除機が入れるくらいのスペースを作ったらどうかと提案されて、それを採用した結果、良かったなと思います。

 

村山 このサンプル品は素材が竹ですが、竹をチョイスされたのは?

 

弦巻 竹素材は、成長も早いので、エコ素材としても注目されています。建材としての可能性を感じていたのと、見た目が気に入っていたという点が選んだ要因ではあります。古くはデザイナーのシャルロット・ペリアンが使っていたり、今なら建築家の隈研吾が使っていたり、三条のスノーピークもテーブルで使っていたりと、時代が注目している素材なのではないでしょうか。


村山 このベッドフレームの企画がきっかけで、キューブデザインさんがデザインを手掛けた佐渡の複合施設『on the 美一』さんでの寝具プロデュースに眠家としては繋がっていったわけですが、『on the 美一』さんは寝心地へのこだわりを優先した設計になっているかと思います。部屋とベッドフレームが一体化されたデザインはユニークでいて、とても居心地の良い空間になっていますね。

  

村山 このベッドフレームは既にキューブデザインさんのモデルハウスでも展示されていますが、お客様の反応はいかがでしょうか?

 

弦巻 やはり、デザインが理にかなっているということはお客様にもご理解していただいていますし、形もそれほどクセがあるわけでもないので、シンプルでどんな部屋にも合うといった声をいただいていますね。『木のマットレス』を使ったベッドシステムは、出来ることなら全ての方に使っていただきたいですし、こだわりの深い方にはとても良いアイテムだと思います。これからの時代はこだわりを持ったほうが楽しいと思います。食にしてもファッションにしても睡眠にしても。いろんなことがインターネットですぐに調べられるので、とことん追求して、「満足するものを能動的に選んで使う」ことに力を入れてもいいのかなと思います。


Cube Design × minka bedflame

ホワイトスプルース オスモクリア ¥221,400
ホワイトスプルース ウレタンクリア ¥226,800 
パイン オスモクリア
¥232,200
パイン ウレタンクリア
¥237,600
ブナ オスモクリア
¥253,800
ブナ ウレタンクリア
¥259,200
ウォールナット オスモクリア
¥297,000
ウォールナット ウレタンクリア
¥302,400
バンブー オスモクリア
¥486,000
バンブー ウレタンクリア
¥491,400

*全てシングルサイズ

*全て税込価格

*ベッドフレーム単体のお値段です

*写真はバンブー/ウレタンクリアになります

コラボベッドフレームには眠家の『木のマットレス』がきれいに納まる仕様。
コラボベッドフレームには眠家の『木のマットレス』がきれいに納まる仕様。