佐渡のOn the 美一に行ってきた。


夏の某日、友だちと一緒に佐渡に行った。

その前の年に行った友だちからの「佐渡のOn the 美一ってとこに泊まったんだけどスゴイ良かった」という話を受け、「じゃあみんなで」と計画を立てて行ったのだが、偶然にもOn the 美一は眠家とゆかりのあるゲストハウスだ。純粋に宿泊施設として良かったから、という理由だけでぼくたちを誘ってくれた。

 

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余談だが、ぼくは眠家のオーナーである村山さんとは前々から付き合いがあって、以前「佐渡に良い宿ができたから、機会があれば絶対行くといいよ」と言われていた所だった。

調べてみると綺麗だし見晴らしも良さそうだし、行ってみたいなぁなんて思いにふけていたけど、いざ行こうと思ってもきっかけを作れなかったままでいた。

でもそのきっかけを友だちが作ってくれたので、参加することにした。

 

行ってきたことを村山さんに伝えると「その旅行記書いてみてほしい」と言ってもらえたので、ここに書くことになった。

だから、これは眠家が書いているわけではない、いち友人の完全なプライベート日記だと思ってほしい。忖度無しで正直に感じ取ったことだけをありのままに伝える。

 

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船が到着する両津港からは、車で約30分ほどの位置にあり、サクッと行くことができる(路線バスでも約40分程度)。

今回の目的は、お酒とつまみを買い込んでOn the 美一でダラダラ過ごすこと、そしてOn the 美一の近くにあるお寿司屋さんの「りきすし さわた」に行くこと。

観光は目的にせず、とにかく美味しいものを食べてリラックスしに行くという、大人のショートトリップを堪能してきた。そして完全に佐渡の虜になったと断言できる良い旅だった


朝8時半、新潟駅に集合したぼくたちは佐渡汽船行きのバスに乗り向かった。

きっぷ売り場できっぷを往復分購入した。

席や部屋には特にこだわりもないので、フェリーでの渡航にした。一番安い「2等」という大広間で雑魚寝みたいに座ってくつろぐスペースを選択。往復で5,000円くらい。だいたい2時間くらいで到着する。

ジェットフォイルだと片道11,560円、運航時間が約1時間で済む。これは結構高い。

お金に余裕のある人や、移動時間を短くしたい人はジェットフォイルの方が良いと思う。我々はゆっくり海も見たかったのでフェリーで行くことに(あと正直フェリーがかなり安いので)。

 

それに今回の旅の目的であるお寿司に予算を全振りしたかったのだ。

で、雑魚寝広場にて早速ビールを開けた。ビールは佐渡汽船の売店で購入した。

朝からビールを煽る幸せは何ものにも代えがたいものがある。それがしたいがためのフェリーだったのかもしれない。

ジェットフォイルだと座席になるので、ラフに寝転んだりお菓子を広げたりは困難である。フェリーの良さはこういう気楽さにあるのかも。

 

とにかく最高。

 

雑魚寝広場は普通に休みたい人も大勢いるので、騒ぎ過ぎには注意したい。

船が出てすぐにかもめがやってきた。

画像の奥に見えるのが朱鷺メッセという新潟のシンボル的高層ビルで、隣に佐渡汽船の発着があるので、本当に出発してすぐのことだと分かるだろう。 

乗っているお客さんたちはかもめとのコミュニケーションがひとつの楽しみになっているようだ。かもめはかっぱえびせんが好きみたい。

真似してみた。するとすぐさまやってくるかもめ。「チッ」と一瞬で食べてる。楽しい。ジェイソン・ステイサムのボトルキャップ開けチャレンジを見ているようだ。

かっぱえびせんをあげるのは良いけど、間違って袋を海に落とさないように気をつけたい。

船内を見たり、のんびり海を眺めたり、時々ビールをやりながら2時間。

佐渡に到着。すぐに佐渡おけさの人形が歓迎してくれた。それにいい天気!

たまの旅行は晴れていることが一番嬉しい。

港の近くにあったニッポンレンタカーさんで車を借りて、いざ出発!

目的は観光ではなかったが、友だちの一人が「見てみたい」というので北へ。夏のシーサイドは気持ちがいい。

着いたのは大野亀という名所。大きな一枚岩と、「トビシマカンゾウ」という黄色い花が100万本咲く圧巻の場所。

ぼくたちが行った時はおそらく旬をちょっと過ぎた頃だったのだろう。それでもたくさん咲いていてとても綺麗だったし、こういうスケールを見る機会もないので見られて良かった。

で、近くの喫茶店でアイスクリームを食べ、道すがらにラーメンを食べ、On the 美一に(この日の観光は本当に大野亀だけ)。

ちなみに大野亀とOn the 美一は車で約80分くらいの距離。

 

お寿司は18時に予約していた。全てはお寿司のためにお腹の空き具合を考え、おやつやお昼ご飯の時間を決めた。

最高の寿司は最高のコンディションで食べたい。

ここがOn the 美一。周りは民家が多い中、ひときわモダンで空と海がガラス窓に反射した青い建物。

1階はレストランになっていて、2階がゲストハウスになっている。もちろん風呂、トイレはその日宿泊したお客さんとの共用となる。それもまた出会いの一つ。

 

5部屋ほどの規模で、全ての部屋を予約すれば貸切になるので、今回はそうすることにした。

写真でも分かると思うけど、家が隣接しておらず、少し距離があるので、ある程度大きい音がしても迷惑になりづらい。

先程の2階のガラス窓は内側から見るとこうなる。

上がってくると2階廊下から一面海が見える。突き当りはリビングで、ここでワイワイ遊ぶことができる。テラスやハンモックまである(喫煙スペースはテラスにある)。

リビングの右にキッチンとダイニングスペース。ここに来る前にスーパーでつまみやお菓子やお酒をしこたま買い込んだ。それをしまっておく。

食器もあるので、食材さえあれば大体のことができるし、前に来た人が残していったものも少し残っている。「あ、買い込んだものは全部食べられないんだな」と悟った。

左はカウンター。今回こそ友だちしかいない環境だったけど、3組4組とお客さんがいた時には、それぞれが寛げるスペースが必要なので、こういったところもある。

プロジェクターもあるので、大画面で映画を見たりもできるし(スクリーンももちろん用意があった)、iPhoneを繋げばスピーカーから音楽を流すことだってできる。音楽を流せるのは大きかった。

みんな音楽が好きなのでいろんな曲を流しながらお酒を飲んだ。

部屋がまた良かった。

ベッドで埋まる大きさではあるけど、どこも綺麗で窮屈さが全くない。これはツインルーム。

このベッドルームの寝具プロデュースを眠家が手がけている(パジャマやお風呂のシャンプーなども)。

こっちはシングルルーム。<リラックス社のベッドシステム><金澤屋のU字枕>で統一されているので、どこに泊まっても最高。

この時のシーツや枕カバーはリネン素材。サラサラで気持ちがいいし、掛け布団はボリューミーかつ軽い羽毛布団でそれも最高だった。友だちもそう口を揃えていた。

寝ること自体が楽しみな宿泊施設はそうそうないだろう。

 

荷物を置いて一段落したところで、ちょっとのんびりし18時頃だったと思う。予約してした「りきすし さわた」に行った。

On the 美一からは歩いて4〜5分のところにあるお寿司屋さん。

ストリートビューを貼ったので周りを見てほしい。

普通の町の普通の道にさり気なくあることが分かる。

 

以前、友だちが佐渡に来た時にも予約をしていたらしいが、その時は予約が取れず悔しい思いをしたという。

今回は5人でとれた。しかし、我々以外お客さんが来ない。どういうことかと思っていると、「サービスが行き届かない」という理由から貸切状態だったのだ。

この時点で、普段回転寿司しか行かないぼくからすると「すげえ…」としか言えなかった。

お願いしていたのはおまかせ。

カウンターに通され、まず出された蟹の身。蟹味噌を付けながら食べる最高のさきづけ。否が応でも期待が膨らみます。

日本酒がすすむすすむ。

店主とのおしゃべりも楽しみながら、ひとつずつ丁寧に出してくれるお寿司。食べたことのないクオリティがバンバン出てくるので、「おいしい…おいしい…」とボキャブラリーの貧弱な言葉しか出てこなくなっていると、店主が

 

「今の時期は一年通して一番おいしくないよ」

 

と言ったので、冬にもう一度来ることを決めたのだった。

最初に出していただいた握りと2貫目以降に出していただいた握りの向きが違うことに気づいた方はいるだろうか。

 

「お客さん、左利きみたいなんで、こっちの方がつかみやすいでしょう」

 

よく見てるな…まじで。1貫だけでそれ見抜くんすか…まじで。洞察力えぐいでしょ。これが一流か。

最後の最後まで本当に人生で食べた寿司の中で一番美味しいものが続いた。天国かと思った。

12貫しか食べていないのに、えらく満たされた気分だった。天国かと思った。

特にカワハギの肝をカワハギで軍艦巻きにしたのは頭がおかしくなるかと思ったくらい美味しかった。

On the 美一に帰る頃は夕暮れだった。

日が落ちる頃の海も美しかった。本当に天国なのかもしれない。で、夜は2時までお酒を飲んだり喋ったりしながら過ごした。

 

あれだけ食べて飲んだのに、布団に包まれるとスッと眠気が来ていつの間にか寝てしまった。夜更かししたのに、朝はスッキリ起きられた。なんでこんなに寝た感じがするんだろうと起きた時に思ったが、シンプルに良いベッドで寝ていたからだと思う。<リラックスのベッド>はスゴイ。あと<金澤屋の枕>はヤバイ。まじで。本当にそれだけだ。

2日目は宿根木に向かった。On the 美一から車で約45分。

宿根木は佐渡の最南端にある町というか集落で、それそのものが観光地になっているところだ。もちろん今も人が住んでいる。

船大工が作った家が並んでおり、迷路のように入り組んでいる。観光地らしくマップもあるし、カフェもある。神社もあるし、見どころはいっぱいある。近くでたらい舟にも乗れる。

北沢浮遊選鉱場にも行った。On the 美一から車で約15分。

ここはわりと有名な場所かもしれない。廃墟らしい廃墟で、もちろん立ち入ることはできないが、外から見渡せる大きな広場がある。夜はライトアップするらしいので、また見え方が変わると思う。

赤レンガは発電所だった場所。円盤状なのは「シックナー」と呼ばれる鉱石と水分を分離する施設らしい。キャプテン・アメリカの宿敵だったレッドスカルでも出てきそうな佇まいである。

十分遊んで食べて満喫した。グッバイ佐渡。また必ず来るよ。

友だちはその後、2度、佐渡に向かいOn the 美一に泊まり、りきすしのお寿司を堪能したという。

その気持ち、今ならすごくよく分かる。ぼくもそうしたい。


On the 美一の寝具は眠家で買えます

眠家に置いてあるものと同じオーストリアの<リラックス社>製ベッドシステムは、天然素材で作られた睡眠と環境に優しい作り。自分の身体に合わせてスプリングの調整ができるのが大きな特徴です。調整せずとも抜群の寝心地だったのは驚愕するほかありません。掛布団は別売りで、ウッドフレーム、マットレス、スプリングのセット。

詳しくはリンク先より。

一度寝たらやみつきになることで評判の、特殊な形をした枕は<金澤屋>のもの。肩まで覆う大きなサイズで、頭周りの負荷を分散させるという非常に理にかなった構造をしています。中わたの抜き差しにより、フィット感や好みの調整ができます。On the 美一で使われているモデルは中わたが天然ゴムのラテックスを使用したものです。カバー別売り。

詳しくはリンク先より。

 



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