人生の1/3が睡眠に充てられているというほど、睡眠は私たちにとって大切な活動のひとつです。それを支えるベッドはみなさんの睡眠を快適にするべく毎晩大仕事を果たしています。
当店ではオーストリアに工場を構えるRELAX社のベッドシステムを採用しています。ブナ木材を使用したウッドスプリングと弾力性に富んだラテックスマットレスによるWマットレス構造のベッドシステム。この2つの異素材により体の節々まで隈なく支えてくれる寝心地は言うまでもありません。
ふとなぜわざわざオーストリア産のベッドシステムなのか、気になった方もいるのではないでしょうか?それはウッドスプリング産業が盛んと言われているオーストリアの文化を紐解くと、少し明らかになってきます。
今回はウッドスプリングの歴史と文化について触れていきます。
本題に迫る前に、まだまだ馴染みの少ないウッドスプリングの特徴を端的にまとめます。
●Wマットレス構造によりマットレスの負担が減る
●個人の体型に合わせて調節が可能
●通気性が良くカビにくい
●廃棄しやすい
ヘタレにくいラテックス素材に加え、ウッドスプリングは体圧を分散してくれるため一般的なコイルスプリングよりもはるかに長い寿命でお使いいただけます。
そして湿気の多い日本ではマットレスの湿気対策はマストです。枕など他の寝具に比べると買い替えまでのサイクルが長いマットレスは、中を開けたらカビだらけということもよくあります。こちらのベッドシステムですとマットレスが空気に触れる構造となっているため、重いマットレスを立てかけて風を当ててあげるといったお手入れが不要となります。
さてここで気になるのが4番目の「廃棄しやすい」ではないでしょうか。買う前から廃棄することを考えるというのは少々不思議な気もしますが、実はこの廃棄しやすいというのは今回このウッドスプリングを語る上では欠かせない項目となってきます。
RELAX社のウッドスプリングは金属を使わない、いわゆる『メタルフリー』なベッドシステムです。マットレスと金属に一体どんな関係性があるのかピンこないかもしれませんが、このメタルフリーはRELAX社のあるヨーロッパでは重要なキーワードとなってきています。
もともとヨーロッパでもマットレスの主流は、金属コイルを使った「コイルスプリングマットレス」でした。ところがコイルスプリングマットレスは、リサイクルの難しい金属が使用されていることから廃棄時の環境負荷が高いことが問題視され始めました。
環境問題に積極的に取り組んでいるヨーロッパでは、ベッドに使われる金属にも白羽の矢が立ち、1990年頃から金属を使わないメタルフリーなマットレスが増えてきました。
そして金属は電子スモッグ(electro smog)といわれる電磁波や地磁気の乱れが身体に悪影響を与えるという研究結果も明らかになってきており、特にドイツ・オーストリア・スイスを中心に自然素材を中心としたマットレスメーカーが増えてきました。
その中心になったのがウッドスプリングと天然ゴム素材のラテックスマットレスなのです。
ただ電子スモッグと睡眠の関係性はまだまだ研究段階のため、一概に全てのコイルスプリングマットレスが睡眠に悪い影響があるとは言い切れません。電磁波は電化製品からも多く発生していることから、ここでは「様々な電子機器に囲まれている現代の生活において、寝る時ぐらいは少しでも電磁波を出さないものに触れていよう」という考え方もあるというぐらいに留めておきます。
さて話が逸れてしまいましたが、先ほどコイルスプリングマットレスは廃棄時の環境負荷が高いと触れました。もう少し詳しく話しますと、マットレス内部には布や詰め物などあらゆる素材が一緒くたに詰め込まれています。これらを選別するのも一苦労な上に、金属はリサイクルが難しいという欠点もあります。
そしてさらに厄介であるのがウレタンやポリエステルなどの素材です。低反発・高反発マットレスに使用されることが多いこれらの素材は、石油から生成されるため生分解までに時間を要し環境への負荷が高いと言われています。
こうした素材と比べるとウッドスプリングには、ブナ木材や天然ゴムから成るラテックス、側生地にはコットンと、全て天然素材で生分解性のあるものばかりです。
ここまで読んでくださった方は、メタルフリーマットレスがいかに環境負荷の少ない素材から成るかご理解頂けたのではないでしょうか。
ですが同時に「廃棄しやすい」といっても自分たちには関係ない...?と腑に落ちなかった方もいるかと思います。そうなのです、これだけ長く語った内容はあくまでも廃棄処理をするプロセスの話で、おそらく皆さんが実際に廃棄をする時のストレスはそれほど軽減しないかもしれません(汗)
しかしここからが今回の話題のポイントとなります。
「環境に配慮した製品を選ぶ」、これこそが今注目されている”サスティナブル”に繋がります。
サスティナブルとだけ聞くと「最近話題のアレね」と流行りに乗っかった印象を受けるかもしれませんが、このアクションはヨーロッパを含め欧米諸国ではかなり浸透してきています。
RELAX社工場。
細かいパーツからなるウッドスプリングは手作業も多く、熟練の技が光ります。
サスティナブルについて触れる前に、オーストリアというとどのようなイメージをお持ちですか? パッと頭に思い浮かぶとしたら、音楽の都として古くから栄えたウィーンの街並みでしょうか。バロック建築に外のオープンテラスで飲むコーヒー、行ったことはなくてもなんとなくヨーロピアンな街の雰囲気を想像できますよね。
ウィーンの美しい街並み。
オーナー村山が2018年にRELAX社へ訪問した際に道中で撮影した風景。
しかしドイツやスイスと隣接し内陸に位置しているオーストリアは、実はスイスと並ぶアルプス諸国として標高の高い山々に囲まれています。ドナウ川や有数な国立公園、アルプス地方の至る所には湖が点在していたりとその大自然が織りなす風景は思わず息を呑むほどです。
そんな自然豊かな国で暮らす人々の楽しみと言えば、アウトドアアクティビティ。天気のいい日は森に散策に出かけたり、連休があればトレッキングや湖でカヌーなど、現地の人は日常的に自然と触れ合う機会をたくさん持とうとしています。
わたしもオーストラリア(紛らわしくてすみません)に半年ほど滞在した時に、日本と比べると人々の生活と自然が密着していると感じました。
週末になれば車で何時間もかけてキャンプに行ったり、数日間かけてハイキングに出かけるなど「レジャーシーズンに屋内で過ごすのはもったいない」というくらいアウトドアライフが充実しています。
特に国立公園級の大自然では街では見ることができない貴重な植物や、野鳥そして野生動物など多くの生き物に遭遇します。人間と野生動物との間で棲み分けがあるというよりも、同じ地球を分け合いっこしている、そんな印象を受けました。
すぐそばで彼らがのびのびと生活している姿を目の当たりにすると、「サスティナブルはただの流行りで終わらせてはいけないな」と考えさせられます。
オーストラリアに滞在した際に遭遇したカンガルーたちの群れ。手に届くような距離感で野生動物を身近に感じれた旅の思い出のひとつ。
私はヨーロッパでの滞在経験は少ないですが、自然豊かなオーストリアでも同様に、日々の暮らしでサスティナブルな概念が自ずと根付いていることが想像できます。実際にデータを見てもオーストリアの世界のSDGs達成度は世界6位(日本は18位)で、レジ袋の有料化やプラスチック資材の見直しは随分前から導入されています。
こうして見ると豊かな資源に囲まれた土地で、天然素材のウッドスプリングが誕生したのも納得できます。
今回は普段あまり目に触れることの少ないウッドスプリングの歴史や文化を取り上げてみました。天然素材のみから成るスプリングの背景には、私たちの寝心地だけではなく環境にも配慮された持続型のベッドシステムということがわかって頂けたかと思います。
RELAX社CEOのご自宅写真。オーストリア郊外ではよく見受けられる木目調のスタイルです。
木のぬくもりでいっぱいのお家にベッドも天然素材で揃えたくなるのも頷けます。
下の動画ではオーストリア現地でRelax社の職人たちによる製作風景が収められております。ウッドベースな工場の雰囲気、職人たちが製作の合間に見せる笑顔はステキな光景です。
まだまだ馴染みのないウッドスプリングですので、寝心地やお手入れに関することなど気になることがありましたらLINEまたは店頭スタッフまでお気軽にお声掛けください。
期間:10月1日(金)〜31日(日)
場所:眠家 - minka - 鳥屋野店
特典
①ジャックスショッピングクレジット 24回払いまで無金利(通常10回払い無金利)
②ジャックスショッピングクレジットご利用でギフトカード¥2,000プレゼント
③ベッドシステム20万円以上お買い上げでガーゼケットプレゼント(1台につき1枚プレゼント)
*リラックス製品は、12月1日より値上がりします
・国内在庫がある場合は、2週間程度でご納品可能です。
・国内在庫がない場合は、2022年5月以降のご納品となります。
新しくマットレスが加わりました