2022年3月12日(土)〜21日(月)まで開催される、福岡のコーヒーショップNO COFFEEのPOP UPを記念した特集ページ、「NO COFFEE」代表 佐藤 慎介氏と「眠家 -minka-」オーナー 村山による、対談インタビューをお届けします。
NO COFFEEがオープンする前から注目していたという村山だからこそ聞ける、読み応えのある内容になっています。
POP UP STOREの予習としてどうぞ最後までお読みください。
【第二弾 開催決定】
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NO COFFEE POP UP STORE
Vol.02
日時:2023.9.16 Sat > 9.24 Sun
場所:眠家 -minka- 鳥屋野店
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眠家・村山(以下村山) 数年前に福岡の店舗に2回ほど伺いました。とても居心地の良い空間ですよね。
NO COFFEE 佐藤氏(以下佐藤) 2回も来てくれていたのですね。ありがとうございます。
村山 最初に店舗へ伺った時に、店内の雰囲気が洗練されているところや、店内細部までこだわっている様子が伝わってきていたので、キョロキョロ周りを見ながらコーヒーを頂きました。
人気店でひっきりなしにお客様が入ってくるので、周りのお客様に迷惑になってしまう前に退店して、その後1年後に2回目でリベンジしました(笑)
実際、全国各地から私のようにお店に訪れる人が多いのではないでしょうか?
佐藤 そうですね、ありがたいことに国内の旅行者や出張者の割合が非常に高いですね。コロナ前はインバウンド需要もあったのですが、このご時世ですから今は落ち着いています。
村山 福岡という場所もいいなと思います。何度も訪れていますが、いいお店がたくさんあって、好きな土地の1つです。
新潟は一年の大半は曇り空で、雨が降っていなかったら曇り空でも「晴れてる」なんて言うくらい、青空が貴重なんです。いつ行っても青空に出会える福岡が羨ましいです。
あとは、空港からすぐに街中に出られるところも、街の導線に無駄がなくていいんですよね。
佐藤 新潟では青空がそんなに貴重なんですね!初めて知りました。
僕は元々横浜出身なので、福岡の土地勘はそこまでありませんでした。ただ妻の地元が福岡ということもあり、何度か旅行で訪れていくうちに、とても好きな街になりました。
人が温かく、街もコンパクトで、都会と田舎が近いところに位置しているところが魅力です。あとはご飯が美味しいという点も好きなポイントですね。
村山 奥様の地元とはいえ、知らない土地で開業するのは勇気がいりますよね?
佐藤 お店を始めると決めた時は、資金もそこまでなかったこともあり、そもそも東京での出店は考えていませんでした。
「コーヒーとオリジナルグッズの販売」という核の部分は最初から決めていたので、うまくハマれば東京ではなくても、福岡で十分に勝算が取れるなと。
当時はInstagramの全盛期というか、その効果を肌で感じていたので、うまく利用できれば場所は関係ないかなと思いました。
福岡のNO COFFEE店舗外観
村山 店舗の場所も中心地からやや離れていますが、こちらもあえて選んだのでしょうか?
佐藤 土地勘のない場所だったとしても、中心地でやるイメージは湧きませんでした。”わざわざ”来て頂けるようなお店にしたかったので、少し離れた場所で探すうちに今の場所に出会いました。
平尾・薬院エリアは、中心地である天神エリアから歩いて10分〜15分位かかる場所です。
村山 新潟の街を歩いている人の中にも「NO COFFEE」のロゴ入りのトートバッグやiPhoneケースなど持ち歩いている光景を見ますが、初めから全国でのグッズ販売を視野に入れていたのですか?
佐藤 新潟でもうちの商品を持っている方がいるというのはとてもうれしいですね。
Instagramを通じてお店に来れない方にもWEB STOREで購入して頂けると思っていたので、初めから全国、海外でも認知してもらいたいと思い展開し始めました。
今では、上海の店舗もありますし、韓国でWEBの展開も行っています。海外からのオーダーもWEB STOREでは入ります。
まだまだNO COFFEEを知らない方の方が圧倒的に多いので、可能性はこれからも無限だと常に自分に言い聞かせています。
村山 「NO COFFEE」という店名・ブランド名は国籍問わず誰でもわかる単語の組み合わせなので、世界で人気になっているのですね。
新潟初開催となるPOP UP STOREの様子
村山 実は、佐藤さんの個人インスタグラムアカウントの方を「NO COFFEE」が始まる前からフォローしていたので、オープン告知もリアルタイムで追っていました。
佐藤 僕の個人アカウントを、NO COFFEEが始まる前からフォローして頂いていたとはありがとうございます!
もう7年も前になるので、こうやって今回ご一緒出来るのはとてもうれしいです。
店舗の規模としては10坪弱という狭い空間でしたが、最初から商品を陳列したりイベントもしたいと思っていました。
デザインは、東京の14sdの林さんにお願いをしています。僕の意見を絶妙に取り込んで頂いて、とても素敵な空間に仕上がりました。
村山 14sdさんはポータースタンドなどを手がけているデザイン事務所ですね。
佐藤 そうです、ポーターの店舗も手がけられています。縁があってご紹介して頂き依頼することができました。
姉妹店のON SUGARも林さんにお願いしています。
14sd による内装デザインのNO COFFEE店内
ネーミングから生まれるコミュニケーション
村山 おそらく多くの方が気になっていると思うのですが、「NO COFFEE」というブランド名の由来は何ですか?
佐藤 NO COFFEE自体は、”NO COFFEE NO LIFE”という言葉からきています。これは自分でお店を始める時に、シンプルでなおかつ短縮されない名前にしたいという思いからですね。
また、お客さんになんでこのような名前なんだろうと、疑問にもってもらえるようにしたいとも思いました。
よくコーヒー嫌いなんですか?とか、コーヒーはないんですか?と聞かれることもありますが、その時点で僕の思惑通りなんです。
村山 「NO COFFEE」というネーミングから生まれるお客様とのコミュニケーションなんですね。きっとお客様もグッズを身につけているとご友人とのコミュニケーションのきっかけになって、そういうところから口コミが広がっているんでしょうね。
シンプルなロゴデザインにもこだわりを感じます。
佐藤 そうですね、ネーミングから生まれるコミュニケーションというのはあると思います。
自分自身がシンプルなものが好きなこともあり、ロゴもシンプルな書体が良いと思っていました。知り合いのデザイナーにお願いしてオリジナルフォントで作成しました。
店舗の入り口にもあるのですが、アイコン的なシンプルなマークも作りたくてロゴとあわせてアイコンも作りました。
このアイコンは、上からみたマグカップをイメージしています。
微妙に隙間が空いているのですが、これは取って部分を”N”、残りを”C”で表現していてNO COFFEEのNとCを表しています。
村山 マグカップのアイコンはCで表現しているのは気づいていたのですが、Nも小文字で表現されているのでは?と予想していたのので、その通りで嬉しくなりました(笑)
佐藤 アイコンについては、なかなか意味まで気づいてもらえないのでさすがです!よく何かのボタンですか?と聞かれます(笑)
村山 私は、コーヒーショップには美味しいという感動も求めていますが、お店の空間や空気感が持つ居心地の良さや体験、そして「こないだ行って来たんだよね」という話のネタになるような土産話に加えて、グッズのセンスの良さみたいなところがコーヒーショップの魅力だと思っています。
そのバランスが「NO COFFEE」さんはとても良く、自分の感度にぴったりだと感じました。
佐藤 そうですね、体験というワードはまさにそうなのかなと思います。
人それぞれ価値観も違いますし、強要は出来ないしするべきではないですが、一人でも多くの方に良いなと思ってもらえるような店作りや商品作りを心掛けています。
新潟のお客さんはWEBではご購入頂いている方々もいらっしゃいますので、今回直接お会い出来たらうれしいですね。
村山 今回のポップアップを通じて、新潟のお客様にも行きたい場所の1つとして「NO COFFEE」がきっかけとなって、福岡まで旅に出ることにつながったら嬉しいなと思います。
眠家店内に並ぶのは、NO COFFEE代表的なアイテムたち
村山 グッズからNO COFFEEを知った方も多いと思いますが、コーヒーもとても美味しかったです。
佐藤 コーヒーについては、いつも言っているのですが嗜好品なので、番人受けするような、全ての人に美味しいと思ってもらうものを提供することは不可能だと思っています。料理でも同じように、人それぞれ好みが違うからです。なので、僕自身が美味しいと思えるものを提供することにしています。
それに共感してもらえればうれしいですし、合わなければそれは仕方のないことだと思います。
村山 確かに、コーヒーはこだわりが人それぞれある世界ですよね。グッズも同じように、佐藤さんの観点が意識されているのでしょうか?
佐藤 グッズに関しては定番やオリジナルのものは、シンプルを心がけています。
NO COFFEEのキーカラーが、ブラック、ホワイト、グレーの3色なので、基本はその色味の商品が多いです。先ほど万人受けという話をしましたが、この3色はそこに当てはまるかなと思います。
シンプルなモノを好きな人は多いと思っていましたし、そこはうまくハマったなと思っています。
ベーシックなカラーのグッズに、シンプルなロゴデザインが際立つ
ミーハーだねと言われることは、嫌味だろうが僕にとっては褒め言葉です
村山 コーヒー好きな人じゃない人でも身につけられる、というNO COFFEEというブランド名に好感を持っていて、ロゴデザインだけでもファッション感度やデザイン感度がしっかり刺激されていると思います。その辺りは、何か佐藤さん自身のバックボーンが反映されているのでしょうか?
佐藤 そうですね、僕はコーヒーが飲めない人でも手にとってもらえるような商品を作りたいと思っていました。実際に、グッズだけ買いにお店に来る方もたくさんいらっしゃいます。
せっかく来たのに1杯位飲めば良いのに、という考えは一切ありません。むしろとてもありがたいことだと思っています。
コーヒー屋に行って、グッズだけ買うという心理を生み出せたのは良い事だと思っています。
僕にデザイン感度やファッション感度があるのか、高いのかはわかりませんが、今までの経験や好きなものが反映はされていると思います。
村山 シンプルだけどインパクトのあるNO COFFEEの世界観は、佐藤さんのアパレルの経験のセンスならではですよね。
佐藤 よく、お洒落だと言われますが、僕自身は全くそんな事は思ったこともなくて、お洒落な人なんてほんの一握りだと思っています。本当にお洒落な人に商品を買ってもらうのはすごく難しいと思います。
僕もそうですが、自身では小洒落ているだけだと思っています。
世の中には小洒落ている人の割合の方が圧倒的に多く、そんな人たちのアンテナに引っかかれば良いなと思っています。
村山 なるほど、小洒落た人たちのアンテナに引っかかれば、というのはおもしろいですね。
佐藤 あとは常にミーハーでいるべきだと思っています。
ミーハーだねと言われることは、嫌味だろうが僕にとっては褒め言葉です(笑)
一つのことを極めてプロフェッショナルになることも素晴らしいことですが、僕は広く浅い知識を色々なジャンルで身につけることが、自分にとってはとても大事なことだと思っています。そうすることで色々な方と、色々な話が出来るからです。
常に色々な情報を、少しづつ頭に入れるように心掛けているのかもしれません。
僕にしか出来ないようなコラボレーションというのは常に考えています
村山 KIYONAGA&CO.や藤原ヒロシさんとのコラボレーションは、私個人的には自分の好きなもの同士のコラボレーションで盛り上がりました。
他にもアニメ ワンピースとのコラボレーションがあったりと、とても多種多様なコラボレーションを実現されていて、何かこだわりなどありますか?
佐藤 ヒロシさん、清永さんとご一緒させて頂けたのは、私自身もとても感慨深いものでした。
コラボレーションについては積極的に行っておりますが、年々認知度もあがるにつれてお話も多くなってきたのも事実です。
コラボレーションというのはパワーバランスはありますが、基本的には両者にとって、何かしらのメリットがないと成り立たないと思っています。やはりバランスは大事だと思って、心掛けているところはあります。
よりマス向けなコラボレーションで認知度をあげるものと、感度の高いコラボレーションで、ブランド力をあげたり感度の高い方々を取り込むということもあると思います。
村山 コラボレーションってグッズの内容だけではなく、知名度やそれぞれの持つコンセプトなど、バランスも大事になってきますよね。
佐藤 まあうちほどにグッズを展開しているコーヒー屋さんは、世界をみても恐らくないとは思いますが、オリジナルグッズは真似できても、コラボレーションまでは真似は出来ないと思っています。
お客さんがワクワクするようなことを提案し続けていきたいのは大前提ではありますが、僕にしか出来ないようなコラボレーションというものは常に考えています。
村山 他に気になったコラボレーションというと、NO COFFEEがきっかけで、アーティストKYNEさんを知りました。以前からお知り合いだったのですか?
佐藤 KYNEさんとは、当時オープンのタイミングで、共通の知り合いを介して知り合いました。
それ以来よくお店にも来て頂いていて、NO COFFEEが1年目の時に店内で個展を開催したことが一番最初のコラボレーションでした。
今では考えられないくらい貴重な経験です。
その時にコラボグッズを作成させてもらい、今でも定期的に一緒に商品を作成しています。
村山 東北陸初となる新潟で、そして眠家でのポップアップに関しては、どんなところを魅力に感じていただけましたでしょうか?
佐藤 まず共通の方からご紹介頂かなければ、新潟でPOP UPを行う機会はなかったと思います。あとは眠家のHPを拝見して、当店のお客様と通じるものがあると感じたところが1番大きかったですね。
今回、コットンニットと枕を作らせて頂いてますが、今までに作ったことがないアイテムですし、眠家とのコラボらしい、とても良いプロダクトに仕上がりました。
村山 今回のコラボ商品のニットは、世界に誇るニットの産地である新潟の五泉市で制作しました。こちらのニットの仕上がりはどうですか?
佐藤 新潟には実は今まで行ったことがなく、せっかく新潟でPOP UPを行うのであれば、新潟産のものにしたいという強い思いがありました。ニットのご提案を頂いた時に、これだと思い、ぜひやりましょうというお話になりました。
値段は決して安くはありませんが、クオリティを見たら十分満足して頂けるかなと思います。
眠家での限定販売なので、ぜひ多くの方に手にとって頂きたいです。
※こちらの商品は2022年POP UP商品のため、現在販売はしておりません。
村山 枕のコラボは初めてになると思いますが、コラボ枕の出来栄えはいかがですか?
佐藤 枕を制作するのは初めてでしたが、眠家との取り組みとしては1番最適なアイテムが出来ました。
村山 枕に関しては、オーダーメイド枕ってほとんどが白とか生成りで、デザインが物足りないと私自身感じていたんです。
この枕は創業180年続く老舗の寝具メーカーのものを公式に使用しているのですが、インテリアとしても優れたものにしたら、眠ることも楽しめるし、何より寝室の空間をもっとこだわりたいと思えるのではないかと考えて、様々なブランドとコラボしてきました。
本格的な寝心地は老舗の力を生かし、ルックをそのブランドが持つ力でアップデートすれば、いろいろな人の睡眠欲を刺激する道具になると考えています。
今回の仕上がりも、カラートーンがこんなに落ち着いている枕もなかなかないですし、NO COFFEEファンの方も、これがきっかけで、睡眠が充実してより活動時間が充実してもらえたら嬉しいです。
村山 佐藤さん自身、睡眠へのこだわりがあれば教えてください。
佐藤 枕にはこだわりはあって、自分の頭に合っていないとすぐ寝違えてしまいます。出張先や旅行先では枕が変わるので、大体いつも首が痛いです(泣)
今回のコラボ枕は、自分自身も使うのをとても楽しみにしています。
村山 私も出張先は枕が合わなくて、眠れないまま翌日お仕事...なんてこともしばしばあります。
この枕に慣れてしまうと他で眠れなくなってしまうので、お客様の中には旅先にこの枕を持っていくなんていう方もいらっしゃるんです。
高さ調整が何度でもできるので、使ってみて合わなければ、ご自身で中わたを足したり減らしたりと調整できるので、きっと佐藤さんにも合うと思います!
佐藤 なるほど、自身で高さも調整出来るのですね。それはとても良いですね。人によって合った高さは違いますし、調整出来るのはとても良いですね。
睡眠はとても大事ですし、これをきっかけに睡眠に関心を持ってもらえる方が増えたらうれしいですね。
村山 眠りの質が良くなると、目覚めの良さもきっと変わりますよ。ちなみに佐藤さんはモーニングルーティーンはありますか?やはり朝はコーヒーを飲むのでしょうか?
佐藤 朝は、起きたら歯を磨いて着替えて、犬の散歩行って、戻ってきたらコーヒーと朝食というのが基本です。
村山 やはり毎日コーヒーは欠かせないのですね。まさにNO COFFEE NO LIFE。貴重なお話ありがとうございました。
佐藤 ありがとうございました。
【第二弾 開催決定】
NO COFFEE POP UP STORE
Vol.02
日時:2023.9.16 Sat > 9.24 Sun
場所:眠家 -minka- 鳥屋野店
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