fog linen work INTERVIEW vol.2

 

現在店内でのポップアップショップも大好評のリネンブランド『fog linen work』の特集ページの後編です。

前編では、ブランドの背景やリトアニアの工場のこと、そしてコラボシャツのことを中心に『fog linen work』のオーナー・関根由美子さんにお答えいただきました。 

後編では、眠家別注のボックスシーツのことや、インドで作られている雑貨のことなど、また聞き応えのある内容になっておりますので是非ご覧ください。

 

横にはヤギや牛がいたりというところで、ワイヤーを編んでもらっていたり。

 

村山 インドといえば、昨年は刺し子の一点物ファブリック KANTHA QUILT のポップアップを開催させていただきました。私も購入させてもらってソファーカバーとして使っていて、お気に入りなんです。あちらも関根さんの今の気分でしょうか?

 

関根 昨年夏に自宅を引っ越したことで、それまではあまり必要を感じていなかった、床に敷けるものが気になり、仕入れ始めました。

インドで日常的に愛用されているマドラスチェックのファブリックを使ったブランド miiThaaii で、ルンギの生地を仕入れた時もそうだったのですが、一枚一枚、柄が違うと言われると、どれも手にとってよく見たくなってしまい。。。

毎回、100枚くらい単位で仕入れているのですが、入荷するたびに、愛着があるのと、裏表の柄をしっかり見たいと思い、今のところ全部私がコインランドリーに行って、一枚一枚、洗って畳んでいます。

いろいろな布に触れることで、fog linen work でオリジナルの生地をデザインするためのインスピレーションを得ているような気がします。

 

村山 インドはまたリトアニアとは異なる感性や、国民性がありそうですね。

 

インドは日本ともリトアニアともぜーんぜん違い、考え方をまるっきり変えていかないと、付き合えないですね。

ガイドブックなどにもよく書いてあるのですが、インドの人はなにかを頼まれると、『できない』と言いにくいようで、例えば、こちらが道を聞いて、聞かれた人が知らなかったとしても『知らない』というよりは『あっちです』と知らなくても思いついた方向を教えてくれるとか。

その調子で、仕事の納期に関しても、『4月末までにの100個作れますか?』と聞くと、『もちろん!』と返事が来るのです。そして、実際はできないこともしばしば。

なので、こちらも確認に確認をかさね、遅れても大丈夫なように日にちにかなり余裕を持ってお願いするようになりました。

また、納期をきってというよりは、注文しておいて、その時できてきたものをできた時に販売するというようにしないと、問題になるので、あまり計画性をもってということが難しいかも。

 

村山 生産体制としてはなかなか苦労も多そうですね。

 

そうなんです。だから、商品を作ってもらっているのも、一箇所ではなく、いろいろなところ。

ワイヤーのバスケットに関しては、農村でいろんな方のおうちの庭、横にはヤギや牛がいたりというところで、ワイヤーを編んでもらっていたり。ポリエステルストローのバスケットは南インドのとある小さな町で。その町の女性のアルバイトとして、編んでもらうことになり、タバコ屋のおばさんがお店番をしながら編んでいたり、子育て中のお母さんがおうちで編んでいたり。

それぞれの商品、出来上がってくると、個性がでてしまい、規格からちょっと外れてしまうことも。難しく思う時と、それがまた味になって良いなぁと思う時とがあります。

あと、インドでは本当にいろんなところに行くので、『清潔/不潔』の概念を捨てて、『浄/不浄』の概念でものごと考えるようにします。

 

インドでの買い付け風景

fog linen work をやっていて本当に良かったといつも思うのは、洗い立てのシーツにつつまれて眠る時。

 

村山 そういったインド生産の雑貨以外にも、fog linen work といえばリネンのベッドアイテムかと思いますが、当店でも昨年ボックスシーツを別注させていただきました。リネンのシーツお気に入りです。

 

関根 そもそも、fog linen work を始める前から麻のシーツに憧れがあり、20代の半ばで、本当にお金がないながらも、洋服よりは毎日使える麻のシーツをと思い、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、5万円くらいするアイリッシュリネンのシーツを買って使っていました。

今でも fog linen work をやっていて本当に良かったといつも思うのは、洗い立てのシーツにつつまれて眠る時。麻のシーツとコンフォーターケースはリネンの良さを一番、体感できるアイテムだと思っています。

生地をたくさん使うので、価格的には安くはないのですが、洋服などに比べると、使う頻度も高く、実際、本当に気持ちも良いので、一度お使いいただくと、リピーターとして使い続けてくださるお客様が多いです。

 

村山 5万円のシーツなんて随分高級ですね!でも、おっしゃる通り、洋服は同じものを毎日は着れないし、ファッション性が高くなるほど、季節もトレンドもあって、今年買ったものが来年には古く感じてしまうことが多いですが、シーツやコンフォーターケースは、トレンドにも左右されないですし、毎日使う道具ですからお金をかけても損はないですよね。眠る道具の質が高いと、それだけで暮らしの質が上がったような気分になれますし。

アイリッシュリネンに比べて、fog linen work のようなリトアニアリネンは価格も控えめと思いますが、その大きな違いは何でしょうか?

 

関根 当時、日本の素敵なお店で買うことができるリネンの製品はフランスやイギリスのメーカーのものがほとんどだったので、キッチンクロスでもシーツでもなんでも高かったのです。

私がリネンの製品を作り始めたのは、麻の原産地に行けば、リネンの商品をなんとか手頃な価格で販売できないかという思いからでした。

アイリッシュリネンとリトアニアリネンの価格の差については、聞かれることが多いのですが、原材料はフラックスという種類の麻の繊維になるので、同じです。

その繊維を糸にして、生地を織るわけですが、一般的にアイリッシュリネンとして知られている生地は細い糸で密度が高く織られていてるため、織るの時間がかかります。そのため、必然的に価格も高くなってしまいます。

あと、アイルランドとリトアニアの人件費の違いなども若干関係があるかと思います。

リトアニアでも同じような品質で作られている高級な生地もたくさんあるのですが、fog linen work では普段使いにちょうどいい品質の生地をそれぞれの商品の用途に合わせて織ってもらっています。一般にアイリッシュリネンとして知られている繊細な生地よりは、もう少し太い糸を使用しているので、家の洗濯機でじゃぶじゃぶ洗っても、丈夫で長くお使いいただけます。

 

清潔なリネンのシーツとコンフォーターカバーのおかげで、いつも快眠

 

村山 昨年別注させていただいたバイカラーのボックスシーツは、サラリとした質感で本当気持ちよく眠れるんですよ。特別な洗濯方法にするわけでもなく、洗濯機でザブザブっと洗って、普通に干すだけでパリッと仕上がるし、洗いたてを使う気持ち良さは、やめられません。別注したボックスシーツはスマートフォンポケットも取り付けてもらって、もう自分の睡眠のためにお願いしたような感じです 笑

 

関根 バイカラーのベッドリネン、清潔感のある色の組み合わせ、スタイリッシュでいいですね !

シーツやコンフォーターケースのようなアイテムは、色違いでたくさん買うこともないと思うので、枕カバーはバイカラーになっていると、裏と表で印象も全然変わるので、気分転換にもいいですね。

シーツにポケットをつけるというのは、今まで考えたこともなかったのですが、たしかに、いつも枕元に携帯を置いているものの、寝ぼけて、どこにあるかわからなかったり、落としたりということも多いので、定位置を作ってあげるのは良いなと思います。

 

村山 枕やシーツは、デザインを過剰に加えてしまうと機能が損なわれるような日用品ですから、fogさんの生地のカラーリングや柄で、ちょうど良く機能とファッション感度が感じられるものに仕上がっていると思います。シーツのポケットデザインは、現代人にとってスマートフォンは手放せないツールの一つであることと、寝室のサイズ自体が比較的コンパクトになりがちなので、サイドテーブルいらずにしてあげたいと思って数年前から考えていました。このポケットの発想は、メンズの洋服によく見られるギミックの一つで、あまりレディースの洋服には見られないですが、シーツにつけたことで女性の方にも便利な、今までのfogさんにはなかった新しい機能になったのではないでしょうか。

 

関根 たしかに、ベッドルームもおしゃれな方が良いですね!

私のベッドルームも狭いので、サイドテーブルは置いていないのですが、本棚の横にベッドを配置しているので、毎晩好きな本を取り出して読めるようになっています。

あと、庭でハーブを栽培しているので、ラベンダーやローズゼラニウムなどの香りのいい植物を花瓶に生けています。

 

村山 私自身も、スタッフたちもアパレル出身が多くて、ファッションのアイデアを寝具に取り入れています。ファッションの高揚感みたいなものを取り入れたら眠ることが楽しくなるのではないかなと考えています。そうやって僕たちは睡眠に興味のない方の”睡眠欲を刺激する”ようにしています。

関根さんは何か睡眠へのこだわりは何かありますか?

 

関根 工夫という工夫は、ベッドリネンの他に特別なことがなく、清潔なリネンのシーツとコンフォーターカバーのおかげで、いつも快眠です!!

 

村山 やはり、洗い立てのリネンのシーツとコンフォーターカバーは使うと本当に良いですよね!

また、今年もU字枕カバーとシーツの fog linen work 別注が5月に店頭に並ぶので、お客様には是非チャレンジしてもらいたいです。

 

関根 fog linen work のベッドリネン、何人かの友人宅で、ゲスト用にもベッドリネンをお使いいただいていて、そちらに宿泊されたご友人の方々からもご注文をいただくことがしばしば。

そして、うちに泊まりに来る友人も気に入ってくれることが多いです。

自信をもってオススメできる商品なので、たくさんのお客様にお使いいただきたいです!

 

 

fog linen work のリネンシーツの別注モデルは、5月発売予定です。

そして fog linen work の世界観を感じ取れる『fog linen work POP UP SHOP』は4月17日〜5月6日の期間、眠家にて開催中。

コラボシャツはもちろんですが、暖かくなるこれからの季節にリラックスして着ることのできるワンピースなどの、毎日サラリと着ることのできるリネンのお洋服が沢山並んでおりますので、是非ご来店ください。

 

 

また前編をご覧になられていらっしゃらない方は、この春夏の眠家のトピックスアイテムの一つ『オーバーサイズリネンシャツ』などについてもお聞きしておりますので、是非そちらもご覧ください。

 

【fog linen work】

毎日の暮らしに役立つオリジナルデザインのリネン製品を展開し、全てのリネン製品はフィンランドの南に位置するリトアニアで生産されています。

「毎日使ってザブザブ洗ってお日さまの光で乾かして。洗うたびに良い風合いになるリネン製品をぜひお楽しみください。