fog linen work INTERVIEW vol.1

 

眠家で人気のU字枕のカバーや、ボックスシーツなどを別注生産してもらっているリネンブランド『fog linen work』。

『fog linen work』はリトアニア生産で、毎日の暮らしのリネン製品を扱うブランドです。

ベッドリネンや、テーブルリネン、ファッションアイテムまで、その取扱商品は多岐に渡ります。

そして今年は、眠家別注によるリネンのシャツを生産していただきました。

また、その後は枕カバー、ボックスシーツの別注品の新作リリースも控えています。

そんな『fog linen work』のオーナー・関根由美子さんに特別インタビュー。

ブランドのことや、生産地のこと、今回のコラボアイテムのことや、寝具、眠ることなどたくさんお答えいただきました。

思いの外、内容がボリューミーになったので、前編後編でお届けいたします。

前編は、ブランドの背景やリトアニアの工場のこと、そしてコラボシャツのことを中心にお聞きした内容となっています。

 

基本コンセプトは ”その時々で自分でほしいもの”

 

眠家・村山(以下 村山) お忙しい中ありがとうございます。まずは fog linen work はどんなブランドでしょうか?

 

fog linen work オーナー・関根さん(以下 関根) fog linen work は、1人でマンション住まいだったころにブランドをスタートしたので、初めは一人暮らしの自分が小さな部屋で暮らすのに必要なものを作り、生活のスタイルが変わるにつれて、商品が増えていきました。

 

村山 リネンのお洋服やシーツ、テーブルリネンなどリネン製品だけでもたくさんありますね。

 

関根 洋服はもともと勉強したわけではないのですが、いろいろなブランドのOEMで商品を生産させていただく過程で、勉強させていただき、リトアニアの工場でも現地の優秀なパタンナーさんに入ってもらい、また、日本でもセンスのいいパタンナーさんに助けられて、アパレル商品の幅を広げてきました。

こうして考えてみると、基本コンセプトは ”その時々で自分でほしいもの” のようです。

 

村山 自分のライフスタイルに合わせて欲しいものを作っていったら、ブランドとして幅が広がったのですね。

 

関根 25歳の時に個人事業を初めて、今まで、いきあたりばったりのことが多く、しっかりしたブランドコンセプトとか、マーケティングというのは考えたことがないのです。

自己資金で始めたので、まずは自分で欲しいもの。売れ残ったら一生、自分でその商品を使っても嫌ではないものと考えて、商品の仕入れ、企画をしています。

25歳で個人事業を始めたのも、自分でなにかを始めたいと思っていたわけでは全然なく、その時に勤めていた洋書屋さんに、お店の個性を出すために、古本を仕入れたらどうかという提案をしたところ、お店ではお金を出せないから、自分でしてみたらとオーナーに勧められ。

洋書の古本とアメリカのフリーマケットで仕入れた古いクロスや食器などの雑貨をいろいろな雑貨やさんに卸す仕事を始めました。その後、古いものだけではなくて、取り扱い商品をアメリカのいろいろな雑貨、文具やデザイン雑貨、小さな家具などに拡げて、その時に仕入れていた小さな家具や雑貨で売れ残ったものをまだ、自宅で使っています。

fog linen work というリネンの商品を始めたのは開業してから5年目です。

 

村山 色々と仕入れているうちに行き着いたのが fog linen work なんですね。始まりの背景が雑貨というのもあって、fog linen work の et cetera は、ワイヤーバスケットなどのメタル製品も取り扱っているんですね。

 

関根 et cetera の商品を始めたのも、またまた行き当たりばったりな感じで、個人事業の開業まもなく、アメリカでメキシコ製のワイヤーバスケットを見つけて、日本に仕入れていて、人気商品になり、オリジナルの形もたくさん生産してもらい、15年くらい販売していたのですが、メキシコでバスケットを作っている会社のオーナーが急に亡くなり、事業の継続ができなくなったと連絡をもらって、fog にはもうかけがえのない商品だったので、他に作れるところを探すことになったのです。

もともとメキシコで作っていたものだったので、メキシコで作ってもらえるところをさがそうかとも思ったのですが、その頃、メキシコ雑貨の本を出した知人が、メキシコは治安が悪い地域に行くと、指輪をしている指から切られると話しているのを聞き、メキシコ行きを断念しました。

 

村山 それは怖い。高級腕時計をしていたら腕から切られちゃうのかな。。。それからインドで作ることに?

 

関根 観光で行ったことがあったインドは、また行ってみたいと思っていたので、インドでバスケットを作ってくれる会社をインターネットで探しました。

メールのやりとりと、こちらからサンプルを fedex で送ったりして、生産の可能性の目処がついた時点で、実際に工場を訪ねることになったのですが、デリーのホテルまでサプライヤーさんに迎えに来てもらい、そこから車で5〜6時間。ちょっとしたアドベンチャー気分でした。

ワイヤーのバスケットを作ってもらえるようになると、今度はあんなものもこんなものも欲しいと、インドの会社で作ってもらえそうなものをいろいろ考えて、またスタッフからもアイディアを募り、et ceteraのアイテムが増えてきました。

 

リトアニアの工場の方々、とってもきちんとしていて、真面目

 

村山 fog linen work のリネンアイテムは、生地から縫製までをリトアニアで生産していますね。

 

関根 1998年に初めて工場に行った時には、家庭科教室のような感じで、5〜6名の女性が数種類の生地でバッグやクロスなどの商品を作っていました。

fog linen work を初めて、日本での商品の販売が好調で、リトアニアに行くたびに、働く人が増えたり、大きなビルの中に借りていた工場のスペースが広がり、10年ほどで、その会社は同じ敷地内に古いビルを買って、仕事場を整備、現在では55人くらいのスタッフが働いていて、fog を始めた時から働いている方もいるんです。

もともとはナプキンやテーブルクロスなど、主に直線縫いの商品を作っていたのですが、オーナーさんのチャレンジ精神で、こちらにニーズにあわせてもらい、現在では自社で生地の織りやプリント、機械刺繍などもはじめて、作れる商品の幅が広がっています。

 

村山 fog linen work と共に工場も成長していったんですね。リトアニアの人たちは日本人との性格の違いみたいなものはありますか?

 

関根 リトアニアの工場の方々、とってもきちんとしていて、真面目。

私よりもずーっときちんとしているので、細かいところまでいろいろ気がついてくれて、助かっています。

仕事に関しては、日本人とリトアニア人との違いでの苦労というのはあまりないかも。

だいたいの用事は毎日メールか電話でやりとりして、イメージとしては四国の会社にお仕事をお願いしているようなイメージ。

直線縫いから洋服の縫製に関しても、こちらからのニーズに合わせて、現地で洋服の縫製ができる人を採用してくれたり、いろいろ試行錯誤をしながらではありましたが、だんだんとできることの幅が広がってきました。

 

リトアニアの縫製工場の風景

毎シーズンの色選び、これはまた私の気分で

 

村山 今回のコラボシャツに関しても、私たちの要望を上手くまとめてくれて、リトアニアから届いたファーストサンプルの段階でもう量産可能なレベルでした。今回のシャツは、今までのfogのラインナップにもありそうで無かった感じを出したかったので、こちらからオーバーサイズシルエットを提案させていただきましたが、仕上がってみてどんな印象でしょうか?

 

関根 ユニセックスな感じでいいですね!

そして、HPでコーディネートされているようなフェミニンなコーディネートも素敵。

または、前のボタンをあけて中にメンズっぽいロゴの入ったTシャツや、アクセントカラーになるカットソーをあわせるコーディネートも良さそう。

着こなし方でいろいろなコーディネートが楽しめますね。

 

村山 私たちがイメージするfogっぽい色をいくつかピックアップして、その中から、私たちの今着たいなぁという気分のベージュを選びました。それと、眠家はお客様にとってスタンダードな商品を扱うお店でもあるという考えから、白も外せないかなと思い選びました。

 

関根 選んでいただいた2色の生地、私もfog の今季の服の中で自分でもよく着ている2色で、いろいろな色のボトムスとコーディネートしやすく、気に入っています。

 

村山 カラー選びの時、スタッフ間で「白の薄地にすると透けないか?」という疑問もあったのですが、絶妙な生地の厚さで、これだけ軽さのある薄いリネンの白でも透け感が気にならないのはとても良いですね。スタッフ間でも満足しております。

 

関根 白の薄地のリネン、いいですよね!

たしかにあまり透け感が気にならないので、fog でも毎シーズン、いろいろな形でトップスを作っています。

 

村山 普段シーズンごとに作るお洋服の色選びは、どのように決めていらっしゃるのでしょうか?

 

関根 毎シーズンの色選び、これはまた私の気分で、、、

観た映画、訪れた町、読んだ本の影響が強く、インドに行った後はカラフルな色を染めたり、フランスに行った後は急にトリコロールが気にになったり、利休の本を読んでいると、渋い色がいいなぁと思ったり。

あと、今シーズンはこんな色の服を着てみたいという気持ちで、決めています。

 

 

fog linen work のものづくりは、関根さんの行動力と、リトアニアやインドとの確かな信頼感でできていることが感じ取れるインタビューでした。

そんな fog linen work の世界観を感じ取れる『fog linen work POP UP SHOP』を4月17日〜5月6日の期間、眠家にて開催します。

コラボシャツはもちろんですが、暖かくなるこれからの季節にリラックスして着ることのできるワンピースなどの、毎日サラリと着ることのできるリネンのお洋服が沢山並びますので、是非ご来店ください。

 

 

そして後編は、U字枕のカバーや、別注ボックスシーツのことを含めたベッドリネンのことなどについてもお聞きしましたので、是非この後のインタビューもお楽しみに。

後編は4月下旬公開予定です。

 

【fog linen work】

毎日の暮らしに役立つオリジナルデザインのリネン製品を展開し、全てのリネン製品はフィンランドの南に位置するリトアニアで生産されています。

「毎日使ってザブザブ洗ってお日さまの光で乾かして。洗うたびに良い風合いになるリネン製品をぜひお楽しみください。