2017年11月に自宅兼美容室として独立オープンしたヘアサロンの結(むすび)。オーナー夫妻である諸橋忠明さんと真理子さんがこだわりぬいた一軒家はまるで古民家のようですが実は新築、店の前を通る人もここが一体なんなのか、まじまじと見てしまうほどの存在感があります。
腕前はもちろん、化学物質を極力使わず自然のものにこだわる美容室としても今一目置かれる存在のお二方が木のマットレスをお使いになられているので、その使い心地や選ぶ基準などを伺ってきました。
村山義明(以下、村山) (使い始めて)4ヶ月くらい経ちますよね。寝心地はいかがですか?
諸橋真理子さん(以下、真理子さん) 寝心地は、いいです。よく寝すぎて困る(笑)
諸橋忠明さん(以下、忠明さん) 僕が先行して使ってて、こういう計画(美容室を独立してオープン)ができたタイミングで…
村山 揃えようと
忠明さん その時にマットレスを揃えました。最初は布団をすのこの上に置いていたんですけど、木のマットレスに変えたら雲泥の差があった
村山 アレがあるのとないのとでは全然違いますよね
忠明さん 最初はどうか悩んでたんですけど、『大勢の人に持ち上げられてるみたいな感じ』があって
村山 支えられてる感ですよね。木のマットレスのような天然素材のベッドで寝ることで眠りに対する意識って変わりました?
真理子さん ちゃんと寝る方ではあったんですけど、熟睡できている気がします
忠明さん 睡眠時間は今までと一緒なんだけど、もっとちゃんと休めてる。朝起きた時が違う
村山 このお家(兼、美容室)の構想はどういう風に決められたんですか?お二人で?
忠明さん お二人で…
真理子さん いやもうほぼ(笑)
村山 ほぼ諸橋(忠明)さんが
忠明さん お互いに家をお店と兼用にして、お客様が友人の家に遊びに行くような感覚で出来たらいいなというイメージはあったのですが、天然であり佇まいや空気が違う住宅が出来るのかなって。僕がアレルギー体質の化学物質過敏症で、住みながら働かなきゃいけないわけです。いろんなお客様が来るので、化学物質過敏症じゃないにしても自然を感じられると付加価値になるんじゃないかと思って。漆喰の壁は有害物質を吸収し分解してくれるし、木の匂いが感じられる空間です。薬剤に弱い人でも来れるような店としてダイレクトに伝えられたらなあと
村山 見るからに押し出てますもんね、木が
忠明さん 天井がないじゃないですか、そのまま天井裏まで見えていて『梁がすごいね』っていうのが皆さん印象にあると思うんですけど、何時間とか何回か来てもらうと、言葉じゃ言い表せない居心地の良さみたいなものはあるんじゃないかなと思うんです
村山 林業に関わる人って精神的な病気になりにくいらしいですね。自然に触れているのが良いらしい。だからお店もこういう風にすると、心が癒やされるんでしょうね。寝る環境も『和』な感じじゃないですか。そういうのも寝る時に落ち着かせる役割もあるんでしょうね
忠明さん 和風にしたかったわけじゃないんですけど、日本の風土に合っているものを考えていったら昔からずっと続いているものって意味があって。障子は光をやさしく通し、空気の層を作って断熱性もあったり、カーテンじゃなくてもいいな、とか考えているうちにこうなったんですけど。お客様はもともと古民家だったものをリノベーションしたと思っているみたいです
村山 実は新築なんです、と
忠明さん 斑鳩建築っていうところなんですけど、作ってくれた棟梁は『偽物を嫌う The 天然』みたいな人です(笑)
村山 そういう所からも寝具は木のマットレスに落ち着いたんですか?
忠明さん それはあると思います
村山 ヨーロッパだと木のマットレスはポピュラーなベッドシステムの一つで、金属のコイルスプリングより体に負担がかからない、環境にやさしいという考えがあるんですけど、日本だと値段も高くてそんなに普及してない。使ってる天然ゴムのラテックスも抗菌性があったり、テンセルわたはホコリも立ちにくくてアレルギー持ちには良いですよね
忠明さん そうですよね
村山 ベッドじゃなく布団のスタイルにしたのはどういった理由だったんですか?
忠明さん ベッドの方が高さがある分、ホコリとかっていうのは
村山 逃げられますよね
忠明さん ただ、今の部屋に置いてしまうと位置が決まってしまうんで…いずれ屋根裏に通した2本の梁の上(※上画像)を子供の頃に憧れた屋根裏部屋みたいに使いたくて、それを考えて
村山 …すごいですね…
忠明さん ベッドと比べてみたい気持ちもあります。使用者の何割くらいがベッドなんですか?
村山 当店ですと半分くらいですかね。床置きして使いたいという方も結構多いです。床から60cm以上離れるとホコリの立ち方は結構変わってきますので、そういう点ではベッドの方がいいですが、やっぱり部屋が狭くなっちゃうのでそういうのを気にされる方は結構いらっしゃいます
忠明さん そうなんですね
村山 真理子さんは眠りにこだわっていることってあります?
真理子さん 『人生の3分の1は眠っている』という言葉を聞いてからは、そんなに寝てるのかと。そういう時間を大事にしようかなと思い始めました。若い時はどこでも寝てましたし、なんでもいいやって感じでしたけど、結婚して、家を建てて、だんだんライフスタイルが変わって時間とお金に余裕が出てきて…毎日使うものほど良いものを選ぶというのがテーマになりました
村山 なるほど、たしかにそうですね
真理子さん ホントに小さなことでも。ティッシュでも、シャンプーでも
村山 何気ない時間が、ゆとりのある時間になりますよね
忠明さん 洋服をたくさん買っても、出かけてどのくらい着ているんだろうと考えると…
村山 実際着てる時間って、1日数時間とか(笑)季節モノもあるし
忠明さん 眠家では寝具とかルームウェアとかライフスタイルアイテムの中で、上質なものを提案していることに共感して選ばせていただいたのもありますね。もっと早く気付くべきだった
村山 結婚するのが気付くタイミングなのかもしれませんね。例えば、料理を作る人も一人暮らしの時は自分しか食べないから、そこまで気にしないかもしれないけど、相手がいるとちょっと気をつけようと思うじゃないですか
真理子さん うんうん
村山 (うちの奥さんも)気をつけようと思ってもらってると思うんですけど(笑)
真理子さん (笑)
村山 結婚するタイミングで、自分の買い物から家族の買い物に変わり、家はその最たるものだと思います。次に欲しいものとかあります?寝室で
忠明さん ケットとかシーツとかですかね。キャメルケット欲しいですね
村山 便利なアイテムになると思います。軽くて暖かいし、真夏以外はずっと使えますのでね。夏ならリネンガーゼケット
忠明さん 季節に合わせたものが
真理子さん 少しずつ増やせていけたらいいかな
村山 …じゃあ…ぐっすり寝られているということで(笑)
真理子 はい!非常に
忠明さん 眠れなくて困るということはまずないですね