N.HOOLYWOOD underwear 51pieces

ZIPのないプルオーバータイプのパーカー。プルオーバーのパーカーって市場では妙にダボッとしたシルエットやカジュアルな素材使いのものばかりが目立ちます。そもそも前が開かないものですから、「着用しやすさ」を考えれば当然ダボッとした形の方が良いですが、それでは着た時に不恰好になってしまいます。

「パーカー」とは本来カジュアルなアイテムです。市場にあるアイテムは「ドレス」か「カジュアル」かに分類できます。「ドレス」とはスーツを連想すれば理解できるでしょう。テーラードジャケットやスラックスやシャツや革靴など、ドレスシーンで着用するアイテムの全てです。逆に「カジュアル」はそれ以外のアイテムです。インディゴデニムやパーカーやスニーカーなどがその最先鋒ですね。「ドレスアイテム」は緊張感や大人っぽさを表現し、「カジュアルアイテム」は余裕や子供っぽいラフさを表現するものです。

そしてその「ドレスとカジュアル」の分類はアイテムのデザインだけの問題ではありません。例えばシルエット。「ドレス」は細いシルエットが基本ですが、「カジュアル」はリラックスシルエットが基本です。「ルーズなシルエット・インディゴデニム」は「ど」がつくほどカジュアルなアイテムですが、他方「タイトなシルエット・インディゴデニム」はドレスの要素が多少加わっている訳であり、大人っぽさとラフさが共存するものです。

「合わせやすい」「着まわしやすい」「一枚でサマになる」という言葉を普段何気なく使っていると思いますが、実は論理的に言葉の意味を説明するならばそれらは「ドレスとカジュアルのバランス」がとれたアイテムということになります。ドレスな大人っぽい雰囲気を突き詰めてしまえば「キメすぎ」となり、カジュアルなアイテムばかりを追求すれば「子供っぽい」「野暮ったい」印象となります。その中間をつくことがファッションにおいては肝要でありそれこそが「一枚でサマになる」アイテムなのです。

もう分かりますね。このプルオーバーパーカーはまさにそれ。計算されつくした袖まわりや抜群の着丈で「ドレス」を感じさせる細身シルエットを実現している、「カジュアル」なパーカーなのです。巷にあるプルオーバーパーカーに飽き飽きしている人に。着用した瞬間に「なるほど」と納得できるでしょう。

（MB）