誰もが一度は袖を通すであろうグレーのジップアップのパーカ。洋服の中でもユーザーの多いこのアイテムでもプライス・デザイン・品質は様々です。グレーとホワイトとチャコールが混ざったムラのあるコットンのメランジ生地で、中に何を着ても合わせられる万能なアイテムです。ただその使い勝手の良さから、少し道が外れるとただの寝間着になってしまったり外出するにはちょっと…というものも多い。そんな中でも一際の存在感と別次元のクオリティで長く愛されているのがN.HOOLYWOODの「47pieces」です。無機質な商品名とは裏腹に、有機的で甘い編み上がりのコットンスウェットを使って本格的に仕上げた高い完成度と、あくまで現代人にフィットする細身で無駄のないシルエットで定番として君臨し続けています。その理由は「本物」を追求するデザイナー尾花大輔さんの「オタク力」による所が大きいでしょう。
愛される製品にはルーツが必ずあります。尾花さんは古着屋の出身で、在籍中は買い付けた古着をリメイクして販売していました。ブランドを始めるきっかけとなった自身の店である「MISTER HOOLYWOOD」は古着のバイイングでハリウッドを往復していた尾花さん本人の愛称からとられています。そんな名のつくほど古着への造詣が深い尾花さんのフィルターを通してできあがったのがN.HOOLYWOODです。とりわけミリタリーに関しては日本屈指の完成度を誇り、今回紹介している「47pieces」も、軍のアンダーウェアがベースとなった名品です。生地の柔らかさやシルエットの細さ、リブの作り、ドローコードの幅、色合い、凹凸を極力減らし肌当たりを良くする縫製方法のフラットシーマ、脇ハギがなく背中合わせで縫われているなど、他のパーカでは見かけないバランスによって完成しています。着てみれば一目瞭然、グレーのパーカひとつとってもこれだけ違うものかと納得せざるを得ません。
既製服はだいたい3つから4つ、どんなに多くても5つのサイズ展開が限界ですが、このパーカに関しては7つのサイズが存在しています。小柄な女性から大柄な男性まで広くカバーできる豊富なバリエーションを用意し、一方でルーズな着こなし、タイトな着こなしで使い分けることもできる稀有な存在です。例えば女性がメンズサイズで着こなしてもカワイイですし、インナーに使うためにタイトなものを選ぶのでも良い。ボトムスとの愛称によってサイズバランスを変えても良いんです。もともとがスリムなため、少しサイズを上げてもバランスが崩れることがなく、だらしなくならないパーカはちょっとありません。どこにでもあるグレーのパーカだからこそ、どこにでもあるものとは違うものを選びたい方に、心からオススメしたい名作中の名作です。
(スタッフ)
カジュアルアイテムの代表格である「パーカー」は市場にありすぎるくらい溢れています。
どれを見ても同じようなデザインであり、あまりにも多くの人が着ている・・・それだけに差を感じさせるのがとても難しいアイテムです。
高級セレクトショップに足を運んでみれば3万円もするようなパーカーも珍しくありません。
しかし「ファストファッションのパーカーと何が違うんですか?」と聞けば、ショップスタッフは「素材が希少なもので・・・」「生産数が少ない限定品で・・・」と「客観的な見た目」に影響を及ぼさないような要素をセールストークに挙げることも少なくありません。
洋服は見た目と着用した際に感じることが「全て」です。
希少な素材が見た目に影響を与えていなければ無意味ですし、「限定品だからおしゃれ」なんて理屈も論理的ではありません。
・・・だからこそ、このパーカーの魅力は着れば分かります。
着用した際のシルエットの美しさや、凹凸の無い縫製による抜群の着心地の良さ、良質素材が成す遠目にもわかる滑らかな風合いは、小うるさいショップスタッフの「セールストーク」を必要としません。
ショップスタッフは「まぁまぁいいから着てみてください。」それだけで任務完了するパーカーなのです。
ウンチクを希望する人にはお店で話してくれるでしょう。
まずは袖を通してみてください。
「あれ?私の腕ってこんなに細かったっけ?」と思わせるアームホール、「俺の顔ってこんなに小さかったっけ?」と思わせるフード位置と大きさ、「このまま寝たい」と思わせてくれる着心地の良さ。
洋服は見た目が全て。
「見た目」を変えてくれるパーカーこそが、市場で数多溢れているパーカーと差別化できるものではないでしょうか。
是非体感してみてください。
驚きます。
(MB)
TEXT:ファッションバイヤー/ファッションブロガーMB
プロバイヤーや企業コンサルタントなどの傍ら、ブログ「最も早くオシャレになる方法KnowerMag」を運営中。
このブログは、「今年はブルーが気分〜」などと感覚的にしか語られないファッションの世界を論理化し体系的に語るプロジェクトとして2012年よりスタート。まるで数式を解くようにオシャレをロジックで語る内容が大反響を呼び、「センスもお金も必要ない、方程式を知るだけでオシャレになれる」と学生から50代まで短期間で多くのフォロワーを生み出した。
日本最大のメルマガ配信サイトまぐまぐにて有料メルマガを配信中。短期間で元ライブドア堀江貴文氏などに次いで読者数4位を達成。2014年度初年度には2014まぐまぐメルマガ大賞も受賞。
また、扶桑社媒体「週刊SPA!」「女子SPA!」、KADOKAWA媒体「WebNewType」、ファッション雑誌「メンズジョーカー」などで連載を行っており「WebNewType」においてはファッションHOWTO漫画「服を着るならこんな風に」の監修も務めている。9月には自著である「最速でおしゃれに見せる方法」を扶桑社より出版。予約段階でamazonランキング総合3位(1位は芥川賞受賞、又吉さん著書)を記録。名実共に日本を代表するメンズファッションブロガーである。
「必要最低限のアウターとして着るアンダーウエア」というコンセプトのもと誕生した"N.HOOLYWOOD underwear"。
「衣服」という道具を、究極までスタンダードに追求していくと、デザインは削ぎ落とされて、本当にシンプルになる。
そして着るものにこだわると、素肌に着るものの着心地はとにかく良いモノがいい。
その究極のスタンダードをアンダーウェアに落とし込んだのが"N.HOOLYWOOD underwear"ではないだろうか。
このパーカーは、袖を通した時に絶妙な身幅と着丈にまず驚く。
そして、ストレスの無い着心地に徐々に気づき始める。
その秘密はパーカーを裏返してみたら納得。
縫い代を極端に少なく留め、肌に受けるプレッシャーを無くしている。
そして、生地。
特殊なコットンを使用することで、柔らかくもっちりとした風合いに仕上げている。
起毛していないところも、一年中着れていい。
その絶妙なシルエットは、"体型に合わせる"という事ではなく"その日のスタイリングでルーズにもタイトにも楽しめる"というコンセプトの通り、全てのサイズが身体にしっくり来る。
ジャケットの下に着たいときは、タイトに小さめなサイズを。
一枚でブルゾンのように着たいときは、少しルーズに大きめなサイズを。
そんな着方を想像させる”絶妙さ”が、N.HOOLYWOODのパーカーにはある。
(MURA)
※洗濯をすると約3cmほど縦に縮みが出ます。サイズ選びの際はお気をつけ下さい。
カラー:グレー
素材:COTTON 100%
サイズ32(XXS)/肩幅38、着丈58.5、身幅42、袖丈59
サイズ34(XS)/肩幅40、着丈61、身幅44、袖丈60
サイズ36(S)/肩幅42、着丈63.5、身幅46、袖丈61
サイズ38(M)/肩幅44、着丈66、身幅48、袖丈62
サイズ40(L)/肩幅46、着丈68.5、身幅50、袖丈63
サイズ42(XL)/肩幅48、着丈71、身幅52、袖丈64
サイズ44(XXL)/肩幅50、着丈73.5、身幅54、袖丈65